今日は少し概念的なお話をしようかなと思います。
僕が今やっているイラストレーターのお仕事には大きく2種類あると思っています。
まだあたまの中で消化し切れていないのでぼやっとした名前になるんですが、大きく「イラストづくり」と「作品づくり」の2種類に別れています。
1つずつ、まとめていきますね。
イラストづくり
ここに分類されるのは趣味絵が多いです。
ファンアートやコンテスト用のイラストではなく、自身の画力を向上させるためだけのイラストがこれにあたります。
趣味絵だけでなく、お仕事でもイラストづくりのご依頼は来ることがあります。
ご依頼者さんの頭の中に完全に完成形のイメージがあって、それをただ形にしてほしい、というご依頼ですね。
イラスト作成はデジタル技術ですから、当然これもイラストレーターの仕事の一つ。
イメージを形にすること。これは本質的に大事なお仕事になります。
でも実は、ただ形にしてほしい、というご依頼はあまり多くないんです。
作品づくり
作品づくりとなるのは趣味絵だと特定の人へ向けたファンアートやコンテストイラスト。
お仕事だと、極端に言うと「大枠はこんなコンセプトで、細かいところはひとまずお任せします!」という感じのご依頼。
え?そんなご依頼アリなの?
って思った方も多いかもしれません。
こういうご依頼、僕的には全然アリです。
と言うより、こういうご依頼が来ると言うことは、今までのイラストから僕の感性や独自の観点に魅力を感じてもらえていると言うこと。
この人なら分からないところは一旦お任せしても良い案を挙げてくれるかも、と言う期待とも受け取れます。
(もちろん全て投げやりに、「何でもいいから描いてくれ」みたいなご依頼は心象的にちょっとどうかなって思っちゃう時もあると思います笑)
こういう「作品づくり」ができること。
それが僕がイラストレーターになって初めて知った幸せの形でした。
好きなことを仕事にすると、嫌になってしまうこともあるんじゃないの?って思う人もいると思いますが、ただお仕事としてやるのではなく、
“ご依頼者さんとイラストレーターの両方の感性を掛け合わせて一緒に作品を作りたい。”
間接的にでもそういって貰えることはとても嬉しいことだって思います。
ざっくりまとめると
イラストづくり ・・・ デジタル技術の提供
作品づくり ・・・ 感性の掛け合わせ
と言うことでしょうか。
微妙に言い得てないようにも感じますが、僕はなんとなくこんなふうに考えてご依頼に望んでいます。と言うお話しです。
このご依頼は「イラストづくり」だって思っていると言うよりは、今の工程はどちらに分類される工程かを考えてご依頼を進めている、と言う方が正しいかもしれません。
1つのご依頼全体がどちらかに分類されることもあるんですが、工程によってどちらに重きをおくのかが変わるところが面白いところ。
両方のスキルを使って
ご依頼がきた時に、ご依頼者さんのイメージをまずは形にするところから始まります。
すなわち初期ラフ制作ですね。
これは紛れもなく「イラストづくり」
細かく隅々までご依頼イメージを頂いている時は、ラフを描いてそのまま清書して完成!ってなることもあります。
ただ、制作する中でいくつか案が浮かんだり、ラフになったものを見て、”あれ?形になってみるとちょっと違うな。”って思うこともありますよね。
そうなった場合、イラストレーター側から別の案を提出することがあります。
そうなったらここが「作品づくり」の入り口。
ああでもないこうでもないって言いながら一緒に作品を作っていく工程。
1番大変なところかもしれません笑
でも、楽しくて僕が好きな工程だったりもします。
たくさんやり取りをするので、ご依頼者さんと1番仲良くなれる工程かもしれませんね笑
全てがそうと言うわけではないですが、こういう過程を経て、ご依頼を遂行していることは多いです。
そしてこれから。
これから少しずつ、お仕事のイラストもこのホームページ上にアップしていきます。
ご依頼者さん自身のオリジナリティに僕の技術を添えたもの。
お互いの考えを合わせて作品を作ったもの。
一括りにお仕事のイラストといっても、本当に色々なんです。
その中で、
“このイラストは何を伝えたくて描かれたものなんだろう?”
“どんな気持ちが掛け合わさってできたものなんだろう?”
そんなふうに思いを馳せながら見てもらえたら良いなって思います。
ご依頼者さんはイラストレーターに
技術を求めても、感性を求めても、その両方を求めてもいいんです。
お互いの技術や感性を尊重しながらも、同じ熱量で、
学生が全てを度外視して部活やクラブ活動に熱中するみたいに
粋を凝らして一緒に作品を作っていける友達が増えていったら楽しいなって思います。
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